Vengineerの戯言

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Ampere Computing とは?

@Vengineerの戯言 : Twitter SystemVerilogの世界へようこそすべては、SystemC v0.9公開から始まった 

はじめに

昔、Arm Cortex-Aシリーズを搭載したSoCに興味があり勉強し、お仕事でもいろいろとやっていました。 その後、転職しちゃったのであまり気にしていなかったんですが、最近、Ampere Computing のサーバー用チップが気になっています。

現在は、Altraという80コア搭載のサーバー用チップをリリースしています。そして、まもなく128コア搭載のサーバー用チップ Altra Max をリリースします。この2チップに関しては、このブログでも2020年7月1日にアップしています。

vengineer.hatenablog.com

Ampere Computing という会社

amperecomputing.com

Wikipediaによると、 Appied Microが2017年1月にMACOMに買収されたときに、サーバー関連(X-Gene)は投資会社Carlyle Groupに売却されたようです。 また、Ampere ComputingのCEOのJames氏は、Intelのトップになった後、2016年初頭にCarlyle Groupに入社しています。 X-Geneを Ampere Computing というブランドに変更して、中止となったX-Gene 3からできたのが、Altraのようです。 Ampere Computingを創業する時には、James氏以外に元Intelのメンバーが参加していたようです。

Ampere Computingはベンチャーというより、事業再生って感じですね。CPUコアがIntel x86-64からArm Cortex-Aシリーズになったもののサーバー用チップを作り、サーバーを作るというのは大きな違いは無いと思います。

Altra と Altra Max はどんな感じ

  • CPUコア:Arm Neoverse N1
  • NoC:Arm CMN-700 (Mesh Interconnect)
  • 8個のDDR4-3200メモリーコントローラ (16 DIMM)
  • PCIe Gen4 128 lanes

Arm CMN-700 のサイトによると、

  • 12 x 12 mesh
  • CPUは、128コア
  • System Cache は、128個までで512MB
  • Memory Controller は、40個まで

説明のために、CNM-700 の図を下記に引用します。

f:id:Vengineer:20210521085743p:plain

Altra が80コア、Altra Max が128コアというのは、CMN-700の制約っぽいですね。

Altra Max の次は?

Anandtechの下記の記事によると、2022年と2023年のサーバー用チップがあるようです。

www.anandtech.com

記録のためにRoadmapの図を以下に引用します。2022年のサーバー用チップの名前は、5nm Siryn のようです。 5nm となると、先週の金曜日のブログ、「NVIDIAのBluefiled 3は、5nm で開発か?」と同じ感じになりそうですね。

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CPUコアは、下記の記事にあるように、5nm 対応した Neoverse V1なんでしょうかね。Roadmapでは、Ampere Cores とありますが、Anandtechの記事の中では、「Replacing Neoverse with Full Custom Cores」となっていますね。

xtech.nikkei.com

AMD EPYC 7763との比較

Altra と AMD EPYC 7763 (第三世代EPYC)の一番いいやつとの比較。PCIe Gen4 と DDR4メモリは同じ。クロックの差は、200MHz。コア数は80 vs 64/128なので、システム全体だとAltraの方がいいんじゃないですか?ただし、内部のキャッシュ等によって性能は変わってしまいますが

おわりに

サーバーの世界は、x86-64サーバーで独占していたIntelとEPYCを出したAMDだけでなく、Armコアを搭載したAmpere Computingが今後いろいろなところで使われていくと思います。もしかしたら、NVIDIAもGRACEをどんどん拡張していくかもしれません。