はじめに
半導体チップ(1個のdie) のコストは、ウェハ1枚当たりのコストを ウェハ1枚から取れる Good Die で割ったものになります。
ウェハ1枚当たりのコストは、下記の記事の図(説明のために引用します)にあるようにプロセスによって違います。
です。時間が経てば、製造装置の原価償却されるので、それなりに下がります。
このウェハのコストを 1枚のウェハから取れる Good Die 数で割ればいいのです。
ウェアからどのくらいの Die が取れる?
下記のサイトでは、チップのサイズとウェハーのサイズを指定すると、何個の Die が取れるかを教えてくれます。
例えば、現時点での最大サイズの die は、26 mm x 33 mm = 858 mm2 を 30インチのウェハで作ると、62 個取れます。 62個全部が Good Die (そんなことは絶対にありえませんが)であったとして、
- 7N では、9344$/62個 = 150.71 $
- 5N では、16988$/62個 = 274 $
になります。仮に、半分の 31個が Good Die であれば、この倍の値が die の コストになります。
5 mm x 5mm 、10 mm x 10 mm の silicon die のコストは?
10mm x 10mm の die は、30インチウェハーでは600個取れます。5Nでは 16,988$ / 600 個 = 28.13 $、7Nでは 9344$ / 600個 = 15.73 $。このぐらいのサイズだと、Fab Yield (歩留まり)は90%ぐらいになるようなので、100/90 = 11% ぐらいコストがあがります
5mm x 5mm の die は、30インチウェハーでは2443個取れます。このぐらいのサイズだと、Fab Yield (歩留まり)は95%ぐらいになるようなので、100/95 =5.3% ぐらいコストがあがります。5Nで8ドルぐらい、7Nで4ドルぐらいになります。
おわりに
チップのサイズ、ウェハサイズ、プロセス、Fab Yieldが分かれば、die のコストは分かります。28Nであれば、5 mm x 5 mm で 2ドルを切るぐらいです。
このTwitterにある図の Apple M1 / M1 Pro / M1 Max の dis zie
- M1 : 10.99 mm x 10.96 mm = 493個 => 16.988 $ / 493 = 34.46ドル
- M1 Pro : 18,94 mm x 12.94 mm = 234個 = 16.988 $ / 234 = 72.59ドル
- M1 Max :19.86 mm x 21.61 mm = 131個 = 16.988 $ / 131 = 129.68 ドル
これらの金額に Fab Yield を変えると、各 die のコストが出てきます。