はじめに
昨日のブログにて、Q3.2024の Intel IR から Intel Foundry について見てみました。
今日は、Intel Foundry の過去を Intel IR から振り返ります。
Intel Foundry
Intel Foundry の データが出てきたのは、Q1.2022 のの時
こんな感じ。外部の売上のみを計上しているようで、Q1.2021 => Q1.2022 で $103M => $283M と 175% の成長を強調しています。この時の損失は、$34M, $31M とかなり少なめでした。
その後、Q4.2023 までに IR のデータです。
- Q1.21 : $103M / - $34M
- Q2.21 : $264M / $52M
- Q3.21 : $174M / -$44M
- Q4.21 : $243M / $3M
- Q1.22 : $283M / $-31M
- Q2.22 : $122M / -$155M
- Q3.22 : $171M / - $103M
- Q4.22 : $319M / -$31M
- Q1.23 : $118M / - $141M
- Q2.23 : $232M / -$143M
- Q3.23 : $311M / - $86M
- Q4.23 : $291M / -$113M
売上は、 Q3.23 の $311M が最大です。
2023 年のデータに合わせて、2022年のデータは何故か?下方修正されています。
- Q1.22 : $156M / $-23M
- Q2.22 : $57M / -$134M
- Q3.22 : $78M / - $90M
- Q4.22 : $178M / -$34M
これにより、Q2.21 の $264M が最大になりました。
Q1.24 の IR から外部の売上だけでなく、内部の売上を含めた形でのデータになりました。比較のために、Q1.23 からのデータも出てきました。
- Q1.23 : $4.8B / -$2.4B
- Q2.23 : $4.2B / -$1.9B
- Q3.23 : $4.7B / -$1.4B
- Q4.23 : $5.2B / -$1.3B
- Q1.24 : $4.4B / -$2.5B
- Q2.24 : $4.3B / -$2.8B
- Q3.24 : $4.4B / -$5.8B (内、$3.0B は、Intel 7 の減損処理)
上記の値をみると、ざっくり、$6B - $7B 以上の売上が無いと、利益はでないということなんでしょうね。たぶん、それ以上の売上が必要になる。
しかしながら、Intel Foundry で開発するプロダクトが減ってきているので、売り上げは上がるどころか下がる方向に行くんだと思いますよ。
減損処理
Q3.2024 の $5.8B の内、$3.0B は、Intel 7 の減損処理ということです。
Intel 7 で開発したものは、下記のプロダクト
- 2021 : 第12世代Core : Alder Lake
- 2022 : 第13世代Core : Raptor Lake
- 2023 (2021年から遅れた) : 第4世代 Xeon-SP Sapphire Rapids
- 2023 : 第5世代 Xeon-SP Emerald Rapids
こちらは新規にラインに並ぶことはなさそうですね。そして、新規に Intel 7 で開発する案件がなければ、それには価値が無くなり、減損処理ということなんですかね。
その次の Intel 4 は、
- 2023 : Core Ultra Series : Meteor Lake の Compute Die
のみ。既に、Lunar Lake と Arrow Lake が出ていて、こちらは共に TSMC N3B で、Intel ではない。ということは、Intel 4 の減損処理もいづれする。
Intel 3 は、
こちらは、サーバー用なので、もうちょっと長いかも。
そして、
Intel 20A は、
- 2024 : Arrow Lake の Compute DIe
だけだったが、こちらは TSMC N3B に。となると、Intel 20A も減損処理しないといけない。
ということで、まだ、減損処理で、損失は続く模様。
おわりに
Intel Foundry 、今まで自社のCPUを開発するためのアドバンテージだったのですが、先端プロセス開発に莫大な費用が必要になり、自社のCPUだけのためではその費用が賄えない状況なのだと思います。
それは、Intel だけでなく、Samsung も同じ状況なのでは?と思っています。
一方、TSMCは、Apple、NVIDIA、AMD、Mediatek、Broadcomと 最先端プロセスを使ってくれる Fabless がいっぱいいるので、売り上げもどんどん増えている状況です。 最先端プロセスはその後も他の会社が使ってくれるので、Intel の Intel 7 のような減損処理を直ぐにやらないです。
ということで、Intel Foundry 、益々、辛くなるんじゃないのでは?と思っています。
そして、Intel Foundry の子会社化、連結から外す、その後、どこかと合併? となりそうですが。。。