Vengineerの戯言

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半導体開発のコスト(2nm)

はじめに

半導体開発のコストって、どのくらいだろうか?

Marvellが投資家向けに行ったイベントで公開した、「Advanced design cost」のスライドがTwitterのTLに流れてきたので、見ていきます。

2nm で $724.8M

下記の写真を説明のために引用します。

  • 28nm : $42.8M
  • 22nm : $63.0M
  • 16nm : $89.6M
  • 7nm : $248.6M
  • 5nm : $448.7M
  • 3nm : $581.1M
  • 2nm : $724.8M

16nm => 7nm で一気に2倍以上。といっても、10nm が入っていない。。

7nm になって、増えた大きな理由はSoftwareです。つまり、16nm まではSoftwareが必要な部分が少なかったが、7nm では多くなった。つまり、ASICからSoCになったというのか?

次は、Verification。。。あれ、Designってどこに入っているんだろうか。。。。

Graphcore をみてみる

AI Cloud用学習チップを開発販売しているStart upのGraphcoreをみてみます。Graphcore は下記のように資金を集めています。

  • Series A : 2016.10 : $30M
  • Series B : 2017.7 : $30M
  • Series C : 2017.11 : $50M
  • Series C : 2018.11 : $200M
  • Series D : 2020.2 : $150M
  • Series E : 2020.12 : $222M

です。

  • 2018 : MK1-IPU (16nm)
  • 2020 : MK2-IPU (7nm)
  • 2022 : BoW-IPU (7nm)

の3つのプロダクトをリリースしています。2018年のMK1-IPUを出しているので、その前に集めた$110Mで開発できたことになります。2020年のMK2-IPUは2018.12に調達した$200Mで開発をしたことになります。

つまり、

  • 16nm : $110M
  • 7nm : $200M

これは、上記の写真の図の中にある。

  • 16nm : $89.6M
  • 7nm : $248.6M

とまー、近いのでそうなるんでしょうかね。

Cerebras Systems をみてみる

WSEを開発販売しているStart upのCerebras Systemsをみてみます。Cerebras Systems は下記のように資金を集めています。

  • Series A : 2016.5 : $27M
  • Series B : 2016.12 : $25M
  • Series C : 2017.1 : $65M
  • Series D : 2018.11 : $81M
  • Series E : 2019.11 : $272M
  • Series F : 2021.11 : $250M

  • 2019 : CS-1 (16nm)

  • 2021 : CS-2 (7nm) + MemoryX/SwarmX

CS-1 (16nm) をアナウンスするまでに集めた資金は$198M、CS-2 (7nm) をアナウンスするまでに集めた資金は追加で$272M です。

  • 16nm : $89.6M
  • 7nm : $248.6M

に比べて、16nm では $198M も集めています。これは 冷却のためのシステムを開発するためにそれなりに資金が必要だったためなのではと思っています。 また、CS-2(7nm) の他に MemoryX/SwarmX も開発していますが、これは CS-1 => CS-2 してシステム構成がほとんど変わっていないので、必要な資金が少なかったのでは?とも思っています。

おわりに

  • 28nm : $42.8M
  • 22nm : $63.0M
  • 16nm : $89.6M
  • 7nm : $248.6M
  • 5nm : $448.7M
  • 3nm : $581.1M
  • 2nm : $724.8M

を見ると、簡単には開発できませんよね。。。