@Vengineerの戯言 : Twitter
SystemVerilogの世界へようこそ、すべては、SystemC v0.9公開から始まった
先週、Apple から Apple Silicon の最初のもの、「Apple M1」の発表があり、
MacBook Air、MacBook Pro、Mac mini に搭載されて販売されることになりましたね。
そのApple M1について、いろいろなところを調べた結果は、こんな感じになりました。
Apple M1について、調べて分かったこと
— Vengineer@ (@Vengineer) 2020年11月13日
・GPUは、7 or 8
・メモリは HBM2ではなく、LPDDR4X-4266、LPDDR5-5500
・最大搭載メモリ容量は、16GBではなく、32GB
・big-CoreのL2は12MB, LITTLE-CoreのL2は4MB、合計で16MB
・System Level Cacheは、Last Level Cache構造に(DRAMの手前にある)
GPUは、7個と8個版があるのは、下記の iPad Pro 用の A12XとA12Zと同じような扱いなんでしょうね。
以下、記録のために、まとめてみました。
Apple M1 のサイトにあるチップの写真を組み込みURLで引用しています。
チップの配置が分かるようなものと右側には2個のDRAMが載ったパッケージになっています。
最初にこの写真を見たときに、このDRAMは HBM2 だと思いました。
何故ならチップとDRAMの位置からでした。
このツイートの図を見ると、
— Vengineer@ (@Vengineer) 2020年11月12日
Apple M1 のメモリはHBM2なのかな?https://t.co/Xn3dqQIH1J
その後、いろいろなサイトにて調べた結果、このDRAMはHBM2ではなく、LPDDR4Xということが分かりました。
また、M1は iPad に使われている A9X/A10X/A12X/A12Z系列をベースに開発したのではと妄想しています。その最大なる理由は、Apple Silicon の発表時にアナウンスした開発用Kitのスペックを確認したからです。その開発用Kitのスペックは、以下のように A12Z が Mac mini case に入ったものだったのです。
"Apple Development Platform.
— Vengineer@ (@Vengineer) 2020年11月13日
It consists of an A12Z processor, 16 GB RAM, 512 GB SSD, and a variety of common I/O ports (USB-C, USB-A, HDMI 2.0, and Gigabit Ethernet) in a Mac mini case.
流行り、iPadのA12Zベースだった。メモリも16GB載ってるしhttps://t.co/FLnSfCJpwm
ここからは、Apple M1の次の3点について、見ていきます。
まずは、GPUです。開発用Kitに搭載されているA12Zは、iPad Pro 2020 に搭載されています。iPad Pro 2018 に搭載された A12Xと物理的に同じチップです。A12Z と A12Xの違いは、GPUの数です。A12Zは8個で、A12Xは7個です。
下記のツイートにある写真が A12Z と A12X です。同じですね。
Our analysis confirms #Apple #A12Z GPU chip found inside #iPadPro (model A2068) is the same as A12X predecessor. A report of our findings is underway & will be available as part of TechInsights' #Logic Subscription. Learn more here https://t.co/WWQqlPorNF pic.twitter.com/RsQEADpZsc
— TechInsights (@techinsightsinc) 2020年4月13日
Apple M1のGPUの数は、A12Zと同じ8個ですが、今回のMacBook AirにはGPUが7個と8個のものがあり、これはA12XとA12Zような扱いだと思います。
次は、DRAMです。A12Z 搭載の iPad Pro 2020 のメモリは 6GBですが、開発用Kit のメモリは 16GBです。このことから、A12Z は16GBまではメモリを接続できるようになっていたわけです。
Apple M1のDRAMは、MacBook Air、MacBook Pro、Mac miniは8GBです。
M1のSiliconの写真の上部、 A12X/A12Zの写真の左側が DRAM I/F の I/Oのようですが、数えると 8個ります。こちらの記事にある株式会社テカナリエが公開したA12Z BionicのDie Shotを見るとわかりやすいです。上部に8個あるのがはっきりわかります。iPhone 用の A12 の Silicon の写真もありますが、A12 の場合は DRAM I/F は4コーナーにそれぞれ1個、合計で4個です。
iPhone と iPad では、DRAM I/F の数が 4個、8個と違うんです。Wikipedia に A12XとA12Zの写真がありました。
写真(組み込みURLで引用しています)。基板の上に、チップとDRAMが2個載っていますね。これ、Apple M1 と同じ感じですね。
iPad Pro 2020 の Teardown の記事は、こちら
下記の写真は組み込みURLで引用しています。
ちなみに、下記の写真(URL組み込みで引用しています)は、iPad Pro 2018 で、A10X のものです。ここまで(A9Xも同じ感じ)でチップとDRAMは別Packageでした。
SamsungのLPDDR4Xのサイトを覗いてみたら、下記にあるように、64Gb (x 64)、つまり8GB品が量産になっています。
・メモリインターフェースは、8 x 16b 、メモリは2個
— Vengineer@ (@Vengineer) 2020年11月13日
となりと、1個は 8 x 8b = 64bit。
Samsungのサイトを見ると、
64Gb x 64 が量産品とあるので、8GB x 64bit になる
現在は、96Gb x 64が最大なので、12GB x 64bitになり、2個で24GBになる。https://t.co/ooFvsjQ4hB
つまり、8GBのLPDDR4Xを2つ、A12Z(開発用Kit)、M1(MacBook Pro) に接続していることになります。
それからもう一つ。
A14Xの詳細スペックか?ベースクロック1.8GHz、ターボ時3.1GHz
では、未発表のA14Xなるもののスペックが載っています。Xが入っているので、iPad Pro 2021 に搭載されるチップの可能性が高いです。このスペックにあるCPUクロック周波数等は、Apple M1と同じです。ただし、最大DRAMが 32GBとあります。
ということは、Apple M1は32GBまで載せられることになります。
なぜ? 今回発表した Apple M1 のメモリが8GBと16GBは何故なのでしょうか?
SamsungのLPDDR4Xでは、96Gb (x 64) = 12GB が最大容量です。LPDDR5だと、16Gbが出てきて、1チップで 16GB になります。
LPDDR5は今年出てきたばかりなのでまだ量産は早いのか?
— Vengineer@ (@Vengineer) 2020年11月13日
おまけに、6GB/8GB/12GBなので、LPDDR4Xより容量は多くない。
Samsungは16Gb品をLPDDR5で出すようだが、ターゲットは2021年。
だから、Apple M1 のメモリは 16GBなんだね。https://t.co/ILPqaV8VLshttps://t.co/rm3hJ1L1Qy
Apple M1のDRAMの仕様は、LPDDR4X および LPDDR5 です。LPDDR5の16Gb が使えるようになったら、32GB搭載の M1 が出てくるでしょう。もしかしたら、LPDDR4Xの 96Gb (x64)で 12GB x 2 = 24 GBになるかもしれません。
最後に、I/O です。開発用Kitには、iPad Pro では使われていなような次の5つの I/O があるようです。
ケース1)、
これら I/O を PCIe ベースの チップとして開発し、それを A12Z に接続する。
ケース2)、
最初から A12Z にこれら I/O が含まれていた。
が考えられます。
上記のSiliconの写真からそれを読み取ることはできませんが、いづれにしろ、ソフトウェアの互換性を考えると、それぞれの IPは同じにする必要があると思います。
Apple M1の場合は、ケース2)ですが、A12Zの場合は SSDとUSB Type-Cは、iPad Proで使っているのでその他も入っていたのかもしれません。
おまけ、大原雄介さんの下記の記事、で、
この記事の後、2週間で Apple M1を発表。https://t.co/hPeLM2Xlhf
— Vengineer@ (@Vengineer) 2020年11月13日
A14そのものは今年前半にTSMCの量産がスタートしていることを考えると、最初のプロトタイプが今年初頭にリリースされ、これの検証と修正を行って、物理設計が完了したのが3~4月頃と思われる。となると、Apple Siliconが出てくるのは早くて今年末。現実的には来年頭にプロトタイプが出てくるという辺りだろう。これは2020年中にリリースされるという、最初のArm搭載Mac向けではないだろう。最初のArm搭載Macは、恐らくA14をそのまま載せた、MacBook Airに近いフォームファクターのものと思われる。Apple Silicon搭載のMacの発表は2021年以降になると考えられる。
とあるものの、2020年10月26日 07時41分 公開、の2週間後に、Apple M1の発表があったのは、なんだかな?と思いました。(笑)
P.S
参考資料:Apple’s mobile processors、 A12Xまでの情報
Apple M1の Unified memory architecture
— Vengineer@ (@Vengineer) 2020年11月15日
メモリ構造のことだと思っていろいろと調べたらそうじゃなかった今までの mac は、Intel Chipset + (AMD GPU) だったので、CPU、GPU、他のモジュールとのデータフォーマットが違って、データの移動や変換が必要だったが、Apple M1ではそれがなくなった。