Vengineerの妄想

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Apple M1ってどんなもの?

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先週、Apple から Apple Silicon の最初のもの、「Apple M1」の発表があり、

MacBook AirMacBook ProMac mini に搭載されて販売されることになりましたね。

そのApple M1について、いろいろなところを調べた結果は、こんな感じになりました。

GPUは、7個と8個版があるのは、下記の iPad Pro 用の A12XとA12Zと同じような扱いなんでしょうね。

 

以下、記録のために、まとめてみました。

Apple M1 のサイトにあるチップの写真を組み込みURLで引用しています。

チップの配置が分かるようなものと右側には2個のDRAMが載ったパッケージになっています。

https://www.apple.com/v/mac/m1/a/images/overview/chip__fffqz3ljssi2_large.jpg

最初にこの写真を見たときに、このDRAMは HBM2 だと思いました。

何故ならチップとDRAMの位置からでした。

 その後、いろいろなサイトにて調べた結果、このDRAMはHBM2ではなく、LPDDR4Xということが分かりました。

また、M1は iPad に使われている A9X/A10X/A12X/A12Z系列をベースに開発したのではと妄想しています。その最大なる理由は、Apple Silicon の発表時にアナウンスした開発用Kitのスペックを確認したからです。その開発用Kitのスペックは、以下のように A12Z が Mac mini case に入ったものだったのです。

ここからは、Apple M1の次の3点について、見ていきます。

まずは、GPUです。開発用Kitに搭載されているA12Zは、iPad Pro 2020 に搭載されています。iPad Pro 2018 に搭載された A12Xと物理的に同じチップです。A12Z と A12Xの違いは、GPUの数です。A12Zは8個で、A12Xは7個です。

下記のツイートにある写真が A12Z と A12X です。同じですね。

Apple M1のGPUの数は、A12Zと同じ8個ですが、今回のMacBook AirにはGPUが7個と8個のものがあり、これはA12XとA12Zような扱いだと思います。

 

次は、DRAMです。A12Z 搭載の iPad Pro 2020 のメモリは 6GBですが、開発用Kit のメモリは 16GBです。このことから、A12Z は16GBまではメモリを接続できるようになっていたわけです。

Apple M1のDRAMは、MacBook AirMacBook ProMac miniは8GBです。

 M1のSiliconの写真の上部、 A12X/A12Zの写真の左側が DRAM I/F の I/Oのようですが、数えると 8個ります。こちらの記事にある株式会社テカナリエが公開したA12Z BionicのDie Shotを見るとわかりやすいです。上部に8個あるのがはっきりわかります。iPhone 用の A12 の Silicon の写真もありますが、A12 の場合は DRAM I/F は4コーナーにそれぞれ1個、合計で4個です。

iPhoneiPad では、DRAM I/F の数が 4個、8個と違うんです。Wikipedia に A12XとA12Zの写真がありました。

 写真(組み込みURLで引用しています)。基板の上に、チップとDRAMが2個載っていますね。これ、Apple M1 と同じ感じですね。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/d/df/Apple_A12X.jpg/400px-Apple_A12X.jpg

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/a/a9/Apple_A12Z.jpg/200px-Apple_A12Z.jpg

iPad Pro 2020 の Teardown の記事は、こちら

下記の写真は組み込みURLで引用しています。

https://www.techinsights.com/sites/default/files/2020-04/a12z-3.jpg

ちなみに、下記の写真(URL組み込みで引用しています)は、iPad Pro 2018 で、A10X のものです。ここまで(A9Xも同じ感じ)でチップとDRAMは別Packageでした。

https://d3nevzfk7ii3be.cloudfront.net/igi/WHKDR5ZU6SSQA3qa.medium

 SamsungのLPDDR4Xのサイトを覗いてみたら、下記にあるように、64Gb (x 64)、つまり8GB品が量産になっています。

つまり、8GBのLPDDR4Xを2つ、A12Z(開発用Kit)、M1(MacBook Pro) に接続していることになります。

それからもう一つ。

 A14Xの詳細スペックか?ベースクロック1.8GHz、ターボ時3.1GHz

では、未発表のA14Xなるもののスペックが載っています。Xが入っているので、iPad Pro 2021 に搭載されるチップの可能性が高いです。このスペックにあるCPUクロック周波数等は、Apple M1と同じです。ただし、最大DRAMが 32GBとあります。

ということは、Apple M1は32GBまで載せられることになります。

なぜ? 今回発表した Apple M1 のメモリが8GBと16GBは何故なのでしょうか?

SamsungのLPDDR4Xでは、96Gb (x 64) = 12GB が最大容量です。LPDDR5だと、16Gbが出てきて、1チップで 16GB になります。

 Apple M1のDRAMの仕様は、LPDDR4X および LPDDR5 です。LPDDR5の16Gb が使えるようになったら、32GB搭載の M1 が出てくるでしょう。もしかしたら、LPDDR4Xの 96Gb (x64)で 12GB x 2 = 24 GBになるかもしれません。

 

 

最後に、I/O です。開発用Kitには、iPad Pro では使われていなような次の5つの I/O があるようです。

ケース1)、

これら I/O を PCIe ベースの チップとして開発し、それを A12Z に接続する。

ケース2)、

最初から A12Z にこれら I/O が含まれていた。

が考えられます。

上記のSiliconの写真からそれを読み取ることはできませんが、いづれにしろ、ソフトウェアの互換性を考えると、それぞれの IPは同じにする必要があると思います。

Apple M1の場合は、ケース2)ですが、A12Zの場合は SSDとUSB Type-Cは、iPad Proで使っているのでその他も入っていたのかもしれません。

 

おまけ、大原雄介さんの下記の記事、で、

 A14そのものは今年前半にTSMCの量産がスタートしていることを考えると、最初のプロトタイプが今年初頭にリリースされ、これの検証と修正を行って、物理設計が完了したのが3~4月頃と思われる。となると、Apple Siliconが出てくるのは早くて今年末。現実的には来年頭にプロトタイプが出てくるという辺りだろう。これは2020年中にリリースされるという、最初のArm搭載Mac向けではないだろう。最初のArm搭載Macは、恐らくA14をそのまま載せた、MacBook Airに近いフォームファクターのものと思われる。Apple Silicon搭載のMacの発表は2021年以降になると考えられる。

 とあるものの、2020年10月26日 07時41分 公開、の2週間後に、Apple M1の発表があったのは、なんだかな?と思いました。(笑)

 

P.S

参考資料:Apple’s mobile processors、 A12Xまでの情報