はじめに
今週の半導体チップ雑談にて、
について、お話しました。
PC側の事業部とFoundry
PC側の事業部は、毎年、ノートPC用、デスクトップ用( Core Ultra i5/i7//i9) のプロダクトを確実に出さないと。
一方、Intel 全体としては、Foundry に投資しているので、PC側の事業部でも Intel Foundry を積極的に使ってもらいたい。
しかしながら、Intel 7 (10nm Enhanced Superfin) では、4つのプロダクトが出たが、
- 2021 : 第12世代Core : Alder Lake
- 2022 : 第13世代Core : Raptor Lake
- 2023 (2021年から遅れた) : 第4世代 Xeon-SP Sapphire Rapids
- 2023 : 第5世代 Xeon-SP Emerald Rapids
Intel 4 では、
- 2023 : Core Ultra Series : Meteor Lake の Compute Die のみ
です。Meteor Lake は 複数の Die から構成されているが、Intel Foundry のものは、一番下の大きな DIe (こちらは先端プロセスではない)と Compute Die のみ
Intel 3 では、
のみです。
Intel 20A で開発していた。そして、Intel 20Aそのものの開発は中止に
- 2024 : Core Ultra Series-2 : Arrow Lake の Compute Die は、TSMC N3B に
そして、
になっています。
来年出る予定の Panther Lake は、Intel 18A ということになっていますが、リスクヘッジのために、Lunar Lake のように TSMC N3E でも 作っているかもしれません。
Intel の全体売上/利益と Intel Foundry の損失
下図は、Intel IRのQ2.2024のスライドで、上が Intel 全体の売上と利益、下が Intel Foundry の損失です。
Q2.2024の売上は、$12.8B で、利益は $0、Intel Foundry の損失は、$2.8B です。つまり、Intel Foundry の損失がなければ、$2.8B は利益になっているかもしれませんでした。
上記に書いたように、Intel Foundry で作るものがどんどん少なっているのに、先端プロセス開発はより多くのお金が必要になります。ということは、投資しても元が取れるぐらいの量を作らなくなる可能性が出てきます。たぶん、既にそうなっているような気がします。
IDM のジレンマ
Intelは自社のCPUを自社のFoundryを使って開発することで成長してきましたが、10nm での開発で足踏み状態になりました。これにより、PC用のCPUでは、Meteor Lake 以降にMulti Die 構成になりましたが、Intel Foundryで使うのは Compute Die のみになっています。Lunar Lake と Arrow Lake では、その Compute Die も TSMC で作っています。
PC側の事業部はものを作らなくてはいけないので、このようになっているのでは?と妄想しています。
おわりに
Q3.2024 の IR で、Intel Foundry の 損失がどのくらいになるのかが 大きなポイントだと思っています。
Intel が Foundry を子会社化して、最終的には連結から外す。。。そうすることで、決算への影響を減らすと、いうことになりますね。
となると、子会社にして、Intel Foundry はどのようにして、生き残るのでしょうか?
あたし的には、Global Founriesと合併の可能性があるのでは?と思っていますが、、、Global Founries側の株主の構成しだいですかね。
ということで、
今週の日曜日の半導体チップ雑談の振り返りとして、ブログに残しました。